このゲーム《将棋のお供》は２人用です。このカードセット（32枚）を、将棋と一緒に使い、カードに書かれた指示によってルールや駒の機能を変えることで、将棋を本来とは違うゲームに変貌させて楽しむものです。このセットには、将棋の盤や駒は含まれていませんので、別途用意します。なお、このゲームをやり過ぎると、将棋が下手になるかも知れませんのでご注意ください。現在の《将棋のお供》は第二版です。初版は2018年に発行されました。
01 女装王【王が女王の動きをする】
このカードは、自駒の「王」の動きを《女王》に変えます。「王」は、チェス駒の《女王(Queen)》と同じ動きになります。将棋では「飛」と「角」を併せ持った動きです。「王」を動かして効果は終了します。効果中の駒は《女王》と呼びます。
02 迅翼龍【龍に自分の駒を搭乗させる】
このカードは、「龍」の周囲8箇所にある自駒の一つを搭乗させ、更に「龍」を動かすことができます。その後は駒が搭乗した状態で「龍」を動かすことができ、更に搭乗した駒を周囲8箇所のうち駒が居ない場所に降ろすことができます（搭乗を続けることもできます）。なお、駒が搭乗中の「龍」が捕獲された場合は、搭乗している駒も捕獲されます。
03 天翔馬【馬に自分の駒を搭乗させる】
このカードは、「馬」の周囲8箇所にある自駒の一つを搭乗させ、更に「馬」を動かすことができます。その後は駒が搭乗した状態で「馬」を動かすことができ、更に搭乗した駒を周囲8箇所のうち駒が居ない場所に降ろすことができます（搭乗を続けることもできます）。なお、駒が搭乗中の「馬」が捕獲された場合は、搭乗している駒も捕獲されます。
04 直進飛【飛が盤の上と横の三辺で通り抜ける】
このカードは、「飛」が移動するときに盤の上下・左右が接続した状態になります。例えば、「飛」が5五に居るとき、1五まで移動できて9五に駒が無いならば、通り抜けることができます。また、9五に相手の駒が居るときは捕獲できます。なお、通り抜けられる方向は右左上の三方向であり下方向には使えません。「龍」には適用されません。
05 反射角【角が盤の四辺で反射する】
このカードは、「角」の移動時に将棋盤の四辺が反射板になります。反射ができる回数は１回にとどまりません。例えば、２三にある角は、障碍物がなければ、３二、４一、５二、６三、７四、８五、９六、８七、と進むことができます。「馬」には適用されません。
06 出世金【金が成って王の代理をする】
このカードは、「金」の成駒を「王」の代理にさせます。他の駒が成るのと同じ条件で「金」を一手の移動で成らせます。裏返しになった「金」は《太子》と呼び、略称は「太」です。「太」は「王」と同じ動きで同じ役割です。以後、一方が捕獲されても負けません。「太」の存在下で「王」が捕獲されたときは、盤上の「太」と「王」を交換し、「金」が捕獲されます。
07 無敵銀【銀が次の手で捕獲されない】
このカードは、「銀」を一時的に無敵状態にします。「銀」を打つか成らずに動かした後、その直後の相手はその「銀」を捕獲できなくなります。この無敵効果は一時的なもので、それ以降は普通の状態に戻ります。「成銀」には適用されません。
08 八方桂【桂が八方に動く】
このカードは、「桂」を一時的に八方に動けるようにします。その「桂」は、チェス駒の《騎士(Knight)》の動きになります。その「桂」を動かして、効果は終了します。移動後の「桂」が敵陣二段目以内に達したときは成りが強制されます。
09 跳躍香【香が駒を跳び越える】
このカードは、「香」が駒を跳び越えて動けるようにします。その「香」は、射線上にある駒を一つだけ越えて進むことができます。跳び越える駒は相手でも味方でも構いません。着地点に相手の駒が居るときは捕獲します。その「香」を動かして効果は終了します。跳び越えられた駒はその位置に残ります。
10 許二歩【二歩打ちができる】
このカードは、縦の列に２つめの「歩」を打てるようにします。持駒の「歩」を一つ打つとき、反則の二歩（同じ縦の列に味方の「歩」が２つあってはいけない）のルールは無視されます。この効果は、二歩の状態が持続している間は続きます。その列へ更に「歩」を打つことは新たな二歩となるため反則になります。
11 熟成果【自分の一つの駒を成駒に変える】
このカードは、自分の駒を動かすとき、成りの条件を満たしていないのに成らせることを可能にします。「王」や「金」には適用されません。
12 連続技【自分の一つの駒を二連続で指す】
このカードは、一つの駒を二手連続で動かすことを可能にします。一手目も二手目も相手の駒を捕獲することが可能です。一手目で相手の「王」に王手を掛けることはできません。
13 治癒術【自分の一つの駒を駒台に戻す】
このカードは、盤上の「王」「太」以外の味方の駒を駒台に戻します。これで一手になり、効果は終了します。盤の隅で疲れている駒を有効活用することもできるでしょう。
14 雷撃球【相手の一つの駒を駒台に戻す】
このカードは、盤上の「王」「太」以外の相手の駒を駒台に戻します。これで一手になり、効果は終了します。活躍している相手の駒を撤退させることもできるでしょう。
15 時遡行【自分の着手をやり直す】
このカードは、自分の一つ前の着手を元に戻します。一つ前に動かした駒が捕獲されていた場合も、相手の駒台から元に戻ります。そのうえで、別の任意の着手を行います。相手の着手は元に戻りません。従って、この効果は「待った」とは異なります。
16 懐柔策【挟んだ相手の駒を味方にする】
このカードは、味方の駒で縦横斜めに挟まれた相手の駒を味方に変えます。反転の規則はリバーシと同じです。使い方によっては大量の相手の駒が寝返ります。ただし、効果発動の対象に相手の「王」が含まれるときは、このカードは使えません。また、相手の駒の「歩」を反転した結果が禁則の二歩になるときは、成って「と」に変わります。
