じゃんけんカードゲームシリーズは、最大7種類の手の形をカードでプレイする新感覚のゲームです。サイズは、普及版が 85mm x 49mmです。
3種類:グー(石)・チョキ(鋏)・パー(紙) から構成されます。通常これを「じゃんけん」と呼びます。グー・チョキ・パーの3種類が同時に出た場合はチョキの勝ちにするというルールを加えた場合は「チョキじゃんけん」と呼びます。
4種類:ガリア地域に伝わる4種のじゃんけんを実現したものです。従来のじゃんけんにイド(井戸)を加えたものです。井戸は鋏と石に勝ち、紙に負けます。これを「ばとけん4」または「井戸じゃんけん」と呼びます。
5種類:井戸じゃんけんに、フデ(筆)を追加して5種にしたものです。「ばとけん5」または「筆じゃんけん」と呼びます。
7種類:更に鴨(カモ)と良(イイネ)を追加して7種にしたものです。『ばとけん7』と呼びます。
なお、じゃんけんカードは、セットで販売する以外にも、部品としてゲーム制作者に供給します。ご希望の方は銀河企画にご相談ください。
「井戸じゃんけんカード」を中心に、「じゃんけんカード」「筆じゃんけんカード」「ばとけんカード」の4つのセットがあります。
種類 | 付属品 | 枚数 |
井戸じゃんけんカード | 説明書1枚(包み紙) | 24枚(4種、各6枚) |
じゃんけんカード | 説明書1枚(包み紙) | 24枚(3種、各8枚) |
筆じゃんけんカード | 説明書1枚(包み紙) | 25枚(5種、各5枚) |
ばとけんカード | 説明書1枚 | 80枚 |
グー |
フデ |
チョキ |
イド |
パー |
カモ |
イイネ |
このカードセットは、手の形で勝負判定をする遊び「じゃんけん」(グー・チョキ・パー) に、欧州で使われている4番目の手の形、井戸(イド)を加えた4種類をカード化したものです。
井戸じゃんけんの概要
「じゃんけん」は、正確な起源は分かりませんが、日本でも昔から伝わる勝負や遊びの手段です。グーは石、チョキは鋏、パーは紙を表したものです。石は鋏に勝ち、鋏は紙に勝ち、紙は石に勝ちます。とても分かりやすい勝敗の規則です。単純なのに明快な三竦(すく)みの構造があることで、逞しく継承されている文化の一つと言えます。
フランス・ドイツなどヨーロッパの一部では、これに井戸を加えた4種類のじゃんけんも行われています [1]。井戸は、石と鋏に勝ち、紙に負けます。石も鋏も井戸に落ちてしまうけれど、紙はひらひらして井戸を塞ぐからです。井戸の形は、親指と人差し指で輪を作ります。ここでは、それを「井戸じゃんけん」と呼びます。
本作【井戸じゃんけんカード】は、「井戸じゃんけん」をカードで実現するものです。カードを1回きりのプレイにすれば、回が進むにつれて使える手の選択肢が減っていきますので、相手の残りカードが何かの推理も必要になり、戦略的になります。なお、通常のじゃんけんをカードで行う手法として「限定ジャンケン」[2] が知られています。
例えば、4人の場合、4種を1枚ずつで4枚を手に持って勝負を始めます。同時にカードを出して勝敗を決めます。手持ちの残りカードで勝負を進めて計4回の勝負になります。手持ちのカードをランダムに配る方法もあります。そうすると、カードの初期配置が偏ることで予測が難しくなります。
じゃんけんの引き分けを減らす方法として、次の2つが挙げられます。ひとつは《ゲーマーじゃんけん》[3]。そのルールは、出した手のうち最も少数派の者が勝ち、2つの少数派が同数の場合は、じゃんけんとして強いほうが勝ち、3種類とも同数の場合は引き分け、というものです。もう一つは《チョキじゃんけん》[4, 5] です。そのルールは、通常のじゃんけん勝負において三竦みによる引き分け時はチョキの勝ち、というものです。
いずれも、全員が同じ手のときは引き分けで、2人が残ったときは、通常のじゃんけんになります。これらにより、引き分けは激減して、決着時間が一気に縮まります。当然ですが、これらを使う場合は、じゃんけんを始める前にどのルールを使うかの取り決めが必要になります。
井戸じゃんけんの勝敗規則
引き分けを減らす2つの方法は、どちらも「井戸じゃんけん」に適用可能です。まず、《ゲーマーじゃんけん》を適用した場合ですが、少数派の3種類が同数なら、三竦みが起こるなら引き分けで、それ以外はじゃんけんとして強いほうが勝ち、となります。一方、《チョキじゃんけん》を適用した場合は、三竦みによる引き分けはチョキの勝ちになります。残ったのは四竦みの場合ですが、四竦みならグーの勝ちと規定します。本作では、後者のルールを推奨します。これによって、引き分けがほとんど起こらない「井戸じゃんけん」ができました。
井戸じゃんけん勝敗表
〇は勝ち、×は負け、空白はその手を出した人が居ないことを意味します。
全員が同じ手のときは引き分けです。
井戸じゃんけん相関図
「井戸じゃんけん」は、「じゃんけん」グー(石)・チョキ(鋏)・パー(紙) に、欧州で使われている4番目の手の形、イド(井戸)を加えたものです。 イドは、グーとチョキに勝ち、パーに負けます。石も鋏も井戸に落ちてしまうけれど、紙はひらひらして井戸を塞ぐからです。引き分け対策として、 三竦(すく)みはチョキの勝ち、四竦みならグーの勝ちとしています。
参考文献
[1] "rock, paper, scissors, well", Mathematics Stack Exchange (2013/6/3)。
[2] 福本伸行:"賭博黙示録カイジ", 「限定ジャンケン」が登場する (1996)。
[3] "ゲーマーじゃんけん", Table Games in the World などWeb上で多数。
[4] 柴崎銀河:"チョキ勝ちじゃんけん", 米光一成の表現道場 (2017/5/20)、同 Blog "ちょきじゃんけん" (2017/6/23)。
[5] 米光一成:"あたらしいじゃんけんを作ろう2", こどものもうそうブックス (2017/10/19)
このカードセット「じゃんけんカード」は、「井戸じゃんけんカード」の姉妹品で、使用頻度の高いグー・チョキ・パーの3種類を補充用カードにしたものです。
ちょきじゃんけんの勝敗規則
《チョキじゃんけん》は、多人数でのじゃんけんで引き分けを減らすために導入した規則です [1]。三竦みによる引き分け状態はチョキの勝ちと定義します。それ以外は通常のじゃんけんと同じです。この概念は4種の手を持つ「井戸じゃんけん」にも拡大適用されました [2]。
参考文献
[1] 柴崎銀河:"チョキ勝ちじゃんけん", 米光一成の表現道場 (2017/5/20)、同 Blog "ちょきじゃんけん" (2017/6/23)。
[2] 柴崎銀河:"井戸じゃんけんカード" , 有限会社銀河企画 (2018/1/29)。
このカードセット「筆じゃんけんカード」は、「井戸じゃんけんカード」の姉妹品で、パーとイドに勝ちグーとチョキに負けるフデを追加した5種類をカードにしたものです。
筆じゃんけんの勝敗規則
筆じゃんけんは、井戸じゃんけん [1] の4種類、石(グー)、鋏(チョキ)、紙(パー)、井(イド)に、筆(フデ)を加えたものです。フデは、パーとイドに勝ちグーとチョキに負けます。その結果、5つの強弱関係は対称になります。なお、5種類を使うジャンケンは、これまでに他の提案もされています。例:トカゲとスポック [2]。ここでは「筆じゃんけん」で竦みから起こる引き分けの回避方法として以下を提案します。三竦みならチョキの勝ち、チョキが居なければグーの勝ち。四竦みならイドの勝ち、イドが居なければパーの勝ち。五竦みならフデの勝ち。これで、全員が同じ手を出したとき以外は勝敗が付きます。
参考文献
[1] 柴崎銀河:"井戸じゃんけんカード" , 有限会社銀河企画 (2018/1/29)。
[2] Sam Kass:"Rock, paper, scissors, Lizard, Spock" (2009)。
筆じゃんけん相関図
「筆じゃんけん」は、「井戸じゃんけん」に、フデ(筆)を追加したものです。フデは、パーとイドに勝ち、グーとチョキに負けます。 筆は、紙に文字を書き、井戸を墨で汚すけれど、石と鋏に壊されるからです。引き分け対策は、三竦みはチョキの勝ち、チョキが居なければグーの勝ち、 四竦みならイドの勝ち、イドが居なければパーの勝ち、五竦みのときはフデの勝ちとしています。
ばとけん
「ばとけん」は、「じゃんけん」から発展した手の形を使って遊ぶゲームの総称で、普通に手で遊ぶこともできますが、道具としてカードとメンコの2種類も用意されます。道具を使うと、出せる手形の種類が制限されるので、相手の持つ手形の種類を予想するなど駆け引き要素が加わります。7種類の手形は、豊洲市場・水産物部の競りで使われる指数字と同じで、0から6までの数に対応します。同時に出すときは「ばとけん・ぽん」と発声します。 その7種類は、石(グー)=0、筆(フデ)=1、鋏(チョキ)=2、井(イド)=3、鴨(カモ)=4、紙(パー)=5、良(イイネ)=6、です。 石・鋏・紙の3種だけ使った場合は通常の「じゃんけん」と同じで、これに井を加えたものを「ばとけん4」または「井戸じゃんけん」と呼びます。さらに筆を加えたものを、「ばとけん5(ファイブ)」または「筆じゃんけん」と言います。 ばとけん5では、石・鋏・紙・筆・井の5種の強弱は、五芒星型の相関になります。更に、これに良と鴨を加えた7種を「ばとけん7(セブン)」と呼びます。良は、偶数(石=0、鋏=2、鴨=4)に勝ち、奇数(筆=1、井=3、紙=5)に負けます。鴨は、井と紙と筆に勝ち、石と鋏と良に負けます。鴨は、井戸から飛んで脱出することができ、紙と筆をつついて壊しますが、石と鋏には立ち向かえないからです。加えて、カモはイイネに弱いのです。この7種の強弱関係を「ばとけん七元相関(ななげんそうかん)」と呼びます。
ばとけん七元相関図
じゃんけんカード (4種) 《井戸じゃんけん》
じゃんけんカード (5種) 《筆じゃんけん》
じゃんけんカード《ばとけん》
じゃんけん国王讃歌 楽譜